長編劇場用アニメーション ちびねこトムの大冒険 公式webサイト:作品解説

作品解説 by 長編劇場用アニメーション ちびねこトムの大冒険 公式webサイト

中村隆太郎・幻の初監督作品−20年の長き夜から、今目覚める!

ピント山が、最近変な音と光を発している。その正体をつきとめに行こう!

人のような動物たちが住む地球。ヤポーニャ国のトムと仲間のちびねこたちは、待ちに待った夏休みの最初の日、かねてから立てていた冒険の計画を実行する。

そんな楽しいけどちっぽけな冒険こそが、みんなが知らないところで壊れ始めていた地球を救う大冒険の始まりだった…!

「serial experiments lain」「グスコーブドリの伝記」「キノの旅 the Beautiful World」など、独特の映像感覚が鮮烈な印象を残す傑作を放ち、その新作が国内外から熱望される現代日本アニメ界が誇る鬼才・中村隆太郎。彼が構成・絵コンテから脚本までを手掛けた初監督作品でありながら、1992年の完成後は一部のTV放映や地方での上映会などでの公開にとどまり、アニメファンの多くはもちろん、業界関係者でさえもが約20年以上ほとんど作品に触れる機会に恵まれなかった“幻”の作品。

それが、この「ちびねこトムの大冒険 地球を救え!なかまたち」です。

大橋学・小倉宏昌・沖浦啓之・神山健治…
現代の日本アニメ界を代表する才能たちが結集!

 飯野真澄(作家。著書「哲ねこ 七つの冒険」「真夜中は猫のはじまり」他)の原案から中村隆太郎等、当時のスタッフが30分シリーズものとして練り上げた企画が「ちびねこTOMの大冒険」でした。その後、中村隆太郎監督自身が脚本を書き上げ長編として生まれ変わったのが本作品です。

キャラクターデザインと作画監督は、日本のTVアニメ黎明期から現在に至るまで第一線で活躍し続ける、「グリム童話 金の鳥」「CLOUD」(OVA「ロボットカーニバル」収録)の大橋学。原画陣は井上俊之、沖浦啓之、二木真希子、須藤昌朋、阿部恒ら実力派アニメーターたちが担当。81分の上映時間に対して6万枚にも及ぶ破格の作画枚数で描かれたアニメーションならではの楽しさが、この作品には詰まっています。
美術監督は、「機動警察パトレイバー the Movie」「千と千尋の神隠し」などを手掛けたアニメ美術界の重鎮・小倉宏昌。そして、武重洋二、串田達也、平城徳浩、神山健治らが腕を発揮した背景美術が、多彩なちびねこトムの作品世界にさらなる深みを与えています。
さらに、彩色設定・片山由美子、撮影監督・高橋明彦、編集・瀬山武司、助監督には楠美直子、他−。幾多の名作を手がけたトップクリエイターたちが創り出したセルアニメならではの美しい映像には、アニメファンならずとも心躍らせずにはいられないでしょう。

斯波重治、川井憲次、そして豪華声優陣−
豊かな「ちびねこトムの大冒険」の“音”の世界

映像にリズムと生命感を与える“音”もまたこの作品の大きな魅力。
音響監督は、「科学忍者隊ガッチャマン」「風の谷のナウシカ」など幾多の名作を手掛けたアニメ音響の第一人者・斯波重治。音楽は、「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」などアニメはもとより、実写では「DEATH NOTE」「GANTZ」などの話題作でもその才能を放ち続ける川井憲次。

そして、藤田淑子、野沢雅子、中尾隆聖、高山みなみ、かないみか、坂本千夏、大塚明夫、鶴ひろみ、飛田展男、小林優子ら、トップクラスの声優たちの熱演が、キャラクターに生命と心を吹き込みました。

「ちびねこトムの大冒険」が、今だからこそよみがえるべき理由−

1980年代終盤から90年代序盤…人々が経済成長とモノの豊かさに浮かれ酔いしれた“バブル”の時代に、この作品は企画され、実に5年の歳月をかけて制作されました。
そして現在−
この作品で重要なモチーフとなっている環境問題は解決の方向さえ定まっていません。その一方で、2011年3月の東日本大震災は、この作品がテーマとする「人間と自然、そして人間同士の“つながり”」について、社会全体が改めてその価値を見直す契機ともなりました。

「ちびねこトムの大冒険」が、今だからこそよみがえるべき理由

そんな“今“だからこそ、「ちびねこトムの大冒険 地球を救え!なかまたち」の訴えかけるものは、公開時よりもさらに深みを増しているのではないでしょうか。
どうぞ「五年の歳月と六万枚の動画を丁寧に一枚一枚書きつづった、今どきのアニメーションにはない手作りのアニメーションを堪能して下さい(※製作時の作品チラシより引用)

 
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